職業性の皮膚疾患には、皮膚に触れるものによる接触皮膚炎（金属・レジン樹脂・ゴム手袋・機械油・ドライクリーニング溶剤）、皮膚に触れたあと紫外線が当たることによる光接触皮膚炎（植物）、ざ瘡（油の接触によるニキビ）、熱傷・凍傷、皮膚癌（放射線被曝や砒素）などがあります。
職業に関連するアレルゲン（原因物質）の吸入や接触や摂取に伴い、ぜんそく、鼻炎、結膜炎、皮膚炎、アナフィラキシーなどのアレルギー疾患がでることがあります。職場で症状が強くなるが、休日には症状が改善する場合には、職場に原因物質がある場合があります。

接触皮膚炎では、原因物質が触れる部位に湿疹（赤い、かゆい、ぶつぶつ、じゅくじゅく）ができます。油の接触によって、ざ瘡（ニキビ）ができます。放射線皮膚障害は、急性では紅斑・ヒリヒリ、傷になることがあり、慢性では瘢痕、がさがさ、皮膚潰瘍、皮膚癌の発生などがあります。
具体的な疾患として、パン屋のぜんそく、理容業の接触性皮膚炎、医療従事者のラテックスアレルギー、花屋や林業での花粉症やハチアナフィラキシーなどがあります。

原因物質の特定を行い、できるだけ接触を回避します。職業上どうしても接触を回避できない場合には、可能な限りの防御を行い、生じる症状に対する治療を並行して行います。
元々のぜんそく、鼻炎、皮膚炎などの継続治療に加えて、職場環境での原因物質の除去や職場での配置転換などで症状が改善したり、症状の悪化を防ぐことが出来る場合もあります。